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待っていてくださること
今日お伺いする先は、ゼンリン地図にも載ってなくて、ネットの地図で検索しても分からず、表札もないし目印もないから、近くに来たら電話するようになっていた。

電話すると、いつも酸素をしていらっしゃるというお客様が、
「では、家の前で待ってます」と言って電話を切られた。

酸素をしていらっしゃる・・
お客様は電話を持っていらっしゃらない・・


急がないと!!!


狭い道をUターンし、今来た道を戻る。
しばらく戻ると、新築の家の庭に、手を足のももあたりに置き、少し腰の曲がったおじいさんが立っていらっしゃった。

「いやあ〜 なんの目印もないもんで・・すみませんね」と言って、そのまま奥の部屋まで案内してくださった。
通された部屋には、酸素ボンベが並び、長いホースのついた機械が置かれている。
そして椅子に倒れ込むように腰かけて、急いで酸素の管をつけられた。
肩を大きく動かしながら、ゆっくりと大きく息を吸い呼吸を合わせていらっしゃった。


かたときも酸素が外せないのに・・
こんなに苦しいのに・・
感謝の気持ちと、申し分けない気持ちでいっぱいになりました。


私にできること・・
少しでも楽なように鼻から酸素の管が取れないように、耳にかけられた管を片手で持ちながらカットする。
バリカンの刃を、耳のうしろの生え際ぎりぎりに当ててカットする。
バリカンの刃が、細い管に当たらないように・・
お客様の様子に細心の注意を心がけて・・
日当たりの良い部屋で、しばらくお客様の昔話に耳を傾ける。


カットが終わり、帰り際にこうおっしゃった・・。


「これで家も分かられたことだから、これからもよろしくお願いしますけんね」
Top▲ by veronica-t | 2010-04-17 23:14 | 本業は訪問美容師 | Comments(0)
忘れない
「長さは どのくらいにしましょうか?」
そうお聞きしながら、いつもと同じくらいの長さにハサミを入れると、
職員さんが、ご家族さまからの要望を伝えてくださった。

いつもの長さは、耳の真ん中くらい
今日は耳を全部出すくらい短く・・
お客様に問うこともなく、それでも似合うようにしながら耳を出す。


今では、それが何を意味するか分かるようになった・・。


お客様は、ご自分の髪が、いつもより短かなことは気にせずに
いつものお話を繰り返される。

でも、今日はちょっと違う・・

毎回、同じ美容院のお話をされるから、聞いている私も場所はわからなくても名前は覚えるほど・・
でも、今日はお店の名前が出てこない。

そして、いつもなら私の顔は覚えてくださっていた。でも・・
「いつだったか、こうやって髪を切ってもらったけど、あなたと違う人だったかしら?」

「ずっと私がさせていただいてますよ」
「あら、私へんよね〜いろいろなこと忘れたみたい」
そして、いつものお話は、今までよりも多く繰り返される・・


お客様が私のことを忘れられても、私はお客様のこと、ちゃんと覚えていますから



・・忘れないから・・
Top▲ by veronica-t | 2010-04-11 22:53 | 本業は訪問美容師 | Comments(4)
軽くなった・・
天気になり一日の気温が高く安定した日
「今日、来て欲しい」と、突然電話が鳴る

こんな日でないと、そのお客様は動けないから
ここ数ヶ月、一日のうちで一番安定した気温の昼頃にお伺いする


「もうずっとシャンプーしとらんけん、汚れとるけど、すまんね・・」
1ヶ月前、やはりこうしてお伺いしてから初めてのシャンプーになる

カットの間、ご主人が離れたお風呂場からバケツいっぱいのお湯を2杯運ばれる

「ここに置いとくけんね 母ちゃん綺麗にしてもら〜だよ」
そう言って、暖房のぬくもりが出ないように戸を閉められた


「汚れとるけんね・・」
痒さも汚れにも限界を感じられるお客様の髪に、1ヶ月ぶりにお湯を通す

バケツいっぱいのお湯は、ご主人の「綺麗にしてもら〜だ」の気持ちがこもる
そして、「これが良いいうもんで」と、使いなれたシャンプー剤を差し出された


通常、シャンプーは2度洗い
たっぷりのきめ細かな泡をたて、髪の汚れを包み落とす

しかし、その髪は、予備洗いを少ししても泡がたたない
予備洗いが5回を越えたころ、やっときめ細やかな泡が髪全体を包みこむ


「耳ん後ろが痒いでな でもほらベタ〜ッとしとって触られんかった」
予備洗いも含めて、お客様の髪を10回近く洗ったころ、
「気持ち良かった・・」と、小さな喜びを噛み締めた声が聞こえた


そして微笑みながら、おっしゃった

「軽くなった・・」と・・・
Top▲ by veronica-t | 2010-03-14 23:57 | 本業は訪問美容師 | Comments(4)
わたしの居場所
大きな窓越しに、やわらかな春の日差しが入ってきます。
施設の大きな窓のある広場に、いつものようにシートを敷き、椅子を置き、手際よく「おひとりさま限定美容室」の開店準備をします。


「よろしくお願いしま〜す!」

職員さんに連れられて、お客様の到着です。
その時々で座っていただく椅子も変わり、道具も異なる美容室には特別な決まりはありません。
お客様のそのときの体調に合わせて、髪のお手入れをさせていただくだけですから・・


「今日は、どんな風にしましょうか?
鏡で見てみられますか・・?」

そうそう普通の美容室と違うのは、ド〜ンっと最初から鏡が置いてないこと・・
ひとことお聞きしてから、お客様の左側にしゃがみ、お顔の見えるくらいの鏡をさりげなくお出しします。



カットして毛染めやパーマの待ち時間・・
お客様の様子をみながら、その時間を過ごします。

大きな窓の外には、色とりどりの花の木が、その小さなつぼみが膨らむのを待ってます。

「今日はお天気が良いですね」
お客様の視線は、春の気配のする園庭へ・・
「あら、本当に・・
あら、花が咲きそうだね」

お客様の椅子の左下に少し姿が見えるように座り、しばらくご一緒に外を眺めます。

b0169869_8323876.jpg

お客様の椅子の左下・・ここが私の居場所です。
Top▲ by veronica-t | 2010-03-14 07:49 | 本業は訪問美容師 | Comments(2)
ことば
今日も、いつもの笑顔に出会う。


お客様の襟足に手をあてながら、目が合うと、
「ここ、短くて良いですか?」と、ゆっくり口を大きく動かす。


「あ、こちらのおばあちゃん、ほとんど耳聞こえないですから、メモを持って来ましょうか?」
初めて見かけた職員さんが、その様子を見て、気を利かせてくださった。
それを丁寧にお断りして、また、お客様と目を合わす。

私の手帳には、以前このお客様と筆談したメモ書きが残っている。
今では、その手帳の出番もほとんどなく、目で「ことば」を交わす。


髪の毛のクセも、生えグセも、お客様の好みの長さも、覚えている。
そしてお客様も、私が次何をするのか、覚えてくださっている。



「ことば」・・目で通じる言葉を知る。
Top▲ by veronica-t | 2010-03-04 22:36 | 本業は訪問美容師 | Comments(2)
これだけに・・
いつの頃からか、しぜんと目が見えなくなったとおっしゃるお客様・・。
利用者さんの中でも若く、なかなか雰囲気に馴染めないの・・と、いつもとかわらぬハキハキとした口調で話された。


そのお客様が、私を呼んでくださるのは
時間をかけて、きちんとお客様のお話を聞いたから・・
納得いただけるまで、髪型を話し合ったから・・
手で触れて、今の髪の状態を知っていただいたから・・

きっと髪をカットする時間より長く手を止めて、椅子に座られるお客様の目線に自分の目線を合わし、とことん話し合ったからなのだろう。

ときには攻撃的な、その口調に戸惑うこともあった。
でも、解らないから聞く・・そのお客様の姿勢に、きちんと向き合うべきだと思った。



ある日、こうおっしゃった。

「私は、あなたにカットしてもらうために、今日ここに来ているのよ」
「カットしてもらいたいから来たの。だからカットしてもらう日以外は、ここに来ていないのよ」

嬉しい気持ちを通り越して、驚いた。


そばで、微笑む職員さん。
素直に嬉しい・・
でも複雑・・


お客様と私が接する時間・・せいぜい20〜30分。(これには決まりがある)
お客様が、ここで過ごされる時間・・朝9時過ぎ〜夕方4時頃。


「あ〜、スッキリしたわ!」
「またよろしくね」

嬉しい・・ でも複雑・・



Top▲ by veronica-t | 2010-02-19 21:49 | 本業は訪問美容師 | Comments(7)
綺麗になるために・・
「綺麗になるためよ」

そう娘さんがおっしゃると、

「そうね」と、穏やかに答えられた。



お元気なときは、週に一度、美容室でシャンプーをされていたお客様。
体調を崩されて、シャンプーも、そしてパーマも諦められたそうです。

シャンプー、パーマを諦める。
それは、お洒落を諦めた・・ということ
それは、女性らしさを諦めた・・といういこと


お年を召しても、お洒落に女性らしくと想う・・
これって、変ですか?

私は、素敵なことだと思います。




・・「綺麗になるためよ」・・


無理のない体勢で、何度も中断しながら、お客様は初めてご自分のお部屋でパーマをかけられました。
そして、綺麗になるために・・お客様は初めて長時間車椅子に腰かけていらっしゃいました。


「まあ、素敵!
お客様がお見えだからリビングに行きましょ!」
そして、ブローが終わり様子を見にいらした娘さんと、お客様の待たれるリビングへと向かわれました。

「あら〜、素敵じゃない〜」
「そう?今、部屋でしてもらったの」
リビングから聞こえる楽しそうな会話を邪魔しないよう、そっと美容道具を車に詰め込んだ。


「ありがとうございました!失礼します!」
飛びっきり元気な声でご挨拶。
「また、よろしくね」
リビングから聞こえる弾む声に、私の心も弾む。



綺麗になるために・・
Top▲ by veronica-t | 2010-02-14 14:58 | 本業は訪問美容師 | Comments(6)
ああ、あの顔、あの顔・・
いつも呼んでくださる施設へと、カットの仕事に行ってきました。
今日のお客様は、いつもカットさせていただいている、おじいちゃん・・
横になって休んでいらっしゃいました。

いつもの場所にシートを敷き、座り慣れていらっしゃる椅子をお借りして、お客様のいらっしゃるのを待っていました。

「美容師さんが来られましたよ〜。」と職員さんに声をかけられると、
「ほんにね?」と、起き上がられて、こちらを見られてひとこと・・

「ああ、あの顔、あの顔・・」

なんとも嬉しい言葉です。


職員さんに誘導していただきながら、椅子にかけていただくと、
「いつものよ〜に、短んしていいけん。」
「上んほも、短んしていいけん。みんな短ていいけん。」
そうおっしゃると、ほとんどこちらを見られないまま目を閉じられました。


短な刈り上げには、いつも使っている鋏をおいて、バリカンの出番です。

美容師とバリカン・・
美容室に勤めていたころは、どんなに短な刈り上げでも、コームと鋏でカットしていました。でも、訪問美容師になってからは、やはり時間との勝負・・そして男性の方は特に、理容師さんがされるバリカンでの刈り上げを希望されます。長男の頭、知り合いの子供さんの頭を借りながら、バリカンの練習をして、鋏と同じような納得いくカットができるようになりました。


刈り上げの仕上げのころ、喉が乾いたと水を飲ませてもらいたいと、おっしゃいました。そして、カットを中断してお茶を飲んでいただくことにしました。
お茶を飲み込むたびに咽せられる姿に、とても心配になりまわりを見渡すと、職員さんたちが、そっと遠くからその様子を見守っておられます。なんだかそれだけ少し安心・・。
そして、ゆっくり、何度も休憩しながら飲み干されました。

「ああ、美味しかった、ご馳走さん。すまんかったね。」と、ホッとされた様子・・、私もホッとした・・。

見慣れた場所で・・慣れた椅子で・・近くに家族やお世話をされる職員さんがいてくれる・・
やはり、このことが訪問美容には大切です。ちょっとしたお客様の体調の変化も、こちらがヒヤッとする場面でも、家族や職員さんがそばに居てくださるだけで、お客様も私も安心です。



カットが終わり、クロスを外し、洋服についた細かな髪を取っていると・・
「あんたのバリカンは、痛くなくて良い。」と、ぽつりとおっしゃった。

痛くない・・

痛くないのが、当たり前なのに・・・ 
このお客様が、たまにしか見ない私の顔を、覚えてくださったことがわかったような気がした。
 
Top▲ by veronica-t | 2009-11-21 14:50 | 本業は訪問美容師 | Comments(6)
壊されたブロック塀
お伺い先のブロック塀が、出入り口付近のことろだけ壊されていた。

お客様は身体がご不自由で、奥様と二人暮らし。
家のすぐ横は車道。「もしかして車がぶつかったのかも」と、心配になりながら駐車した。
壊れたブロックは綺麗に片付けられていた。鉄の骨組みがむき出しになっているが、これも邪魔にならなかった。


壊れたブロックを片付けるのは大変だったのではと、聞いてみた。

「あ〜あ、あれねえ。入りやすかったですか?」

「?? はあ、まあ。」

「それは良かった。壊してもらったんですよ。
その方が車が入れやすいと思って・・・。」


ブロック塀は、私が入りやすいようにと壊されていた。
どうりで入りやすかった。
でも、ずっとあったブロック塀を、私のために壊さなくても・・・

「来てもらえるけん、助かっていますよ。
来てもらうのに、あそこが邪魔かなと思ってね、壊して良かったですわあ。」と、嬉しそうに笑顔で話された。


このご夫婦への感謝の気持ちは、髪のお手入れをいつも通りさせていただくこと・・。
Top▲ by veronica-t | 2009-11-03 00:52 | 本業は訪問美容師 | Comments(6)
島根日日新聞の取材
「訪問美容師の仕事の取材をさせてもらえませんか?」

3年前のある日、島根日日新聞の記者の方に聞かれた。

当時、訪問美容師の仕事は、始めたばかりで経験が浅い。
チラシに書いた『髪のお手入れを・・』を、『散髪』と訂正しなくてはならなかった訪問美容への理解。
この仕事には、積み重ねた経験が必要と考えて、「待ってもらえますか?」と伝えた。


始めてからの3年間は、あっという間・・
収入の激減にも関わらず、支えてくれた家族。

訪問美容への『理解』は、「女性は、いつまでも女性ですから・・」と、同じ想いの介護に携わる人たちの存在と、呼んでくださる家族や施設の存在で、少しずつ分かってもらえた。

そして、道具探しをしていると、「これならできる・・」と、道具を作ってくれた仲間
「自分の作ったものと一緒でよかったら」と、今までの経験を交えたアドバイスと、大切なシャンプーセットをくださった広島のたかっちさん
こうした仲間に支えてもらい、訪問美容師の方向性を見失うことなくこれた。

今までを長い石段で例えるなら、今、やっと数段登ったところ・・。
最近よく言われるようになった、「こんな美容師さんを探していた・・。」と、いう言葉。

新聞への取材は、今かもしれない。
まだ覚えてもらっているだろうか・・「待ってもらえますか?」と言ったことを・・。

連絡すると、「覚えていますよ」と、すぐに取材の日にちを決めてくださった。
そして、始めたころからのお客様とご家族に、「取材させてください」と、お願いすると快く引き受けてくださった。

そして迎えた取材の日、お客様と一緒に緊張した。
いえ、もしかしたら私ひとり緊張していたかもしれない。
原稿の参考になればと、いろいろ話そうと思っても、この仕事は奥が深く、人との関わりも多い・・言葉として伝えることは難しい。

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ただ、これだけは・・
「誰のために・・」を大切にした訪問美容師でありたいと思う。

・・いつでも どこでも おひとりから・・

2009・11・19
Top▲ by veronica-t | 2009-10-31 13:08 | 本業は訪問美容師 | Comments(8)
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