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ほぐす
年末に入って、新規のお客様を紹介していただくことが多くなりました。
そのお客様の中に、寝たきりになって美容室に行けず、
髪を切られなくなった おばあちゃんがいらっしゃいました。

その長くなった髪は、頭を動かされるたびに顔にかかり、
両手がご不自由なので、それを払うこともできず・・
枕があたる後ろ髪は、‘石ころ’のように固く絡み合っていて
その髪に触られるだけで、とても痛いそうです。

在宅介護でシャンプーをされいても、時間が決まっているので、
髪をほぐすことは出来ず、ただ‘石ころ’の上から撫でるだけ・・。

思いあまって家族さんが、'絡み合った髪がなくなる、
地肌から1cmのところで切ろうとされたそうです。
でも、おばあちゃんが嫌がられて、そのままにされていました。


初めてお会いしたおばあちゃんの表情は、暗くほとんど無表情です。

長時間になるので、いつものように、ベットに横になったままの
楽な姿勢でお手入れをさせてもらうことにしました。

絡み合って固くなったところに、そっと櫛を入れて、手でほぐしながら、カットするのですが、
長いことそのままになった髪は、なかなかほぐれてくれません。

次第に髪がほぐれてくると、おばあちゃんの表情も和らいで明るくなってきました。


髪をとかしながらのカットは、1時間。

ずっと同じ姿勢でのカットで、とっても腰が痛かったけれど・・
しばらく腰が伸びず、おかしな恰好でしか歩けなかったけれど・・

嬉しそうな おばあちゃんの笑顔に会えて良かった。。


この年末、もっと訪問美容師の存在を知ってもらおうと、
久しぶりに、手作りのチラシを配りながらお伺いしています。

これからも、たくさんの笑顔に会えますように。。
Top▲ by veronica-t | 2010-12-23 02:27 | 本業は訪問美容師 | Comments(4)
あくび
シャンプーの間に
あくびを、ひとつ、ふたつ、みっつ

初めてシャンプーをさせていただいたとき
あなたは、たくさんのあくびと
歌をうたって、飛びっきりの笑顔をくださった・・

今では、気持ち良いという意思表示は、このあくびだけ・・

今日は、あくび みっつ

もっと、たくさんのあくびがいただけるように
がんばろ。。
Top▲ by veronica-t | 2010-11-08 22:31 | 本業は訪問美容師 | Comments(2)
着物すがた
夏の終わりから、七五三(紐おとし)の着付けの仕事をいただくようになり、
いつもの本業と違った時間を過ごさせていただいています。

今年は、着物を着られるお母さんが多くなりました。
そのなかに・・

「これ、母が、私の七五三のときに着ていたものです
私が着たら、どうなのかな・・と思って」
と、着物に袖を通されていました。


その姿は優しく、そして、とても美しく眩しかった。
Top▲ by veronica-t | 2010-10-18 22:43 | 本業は訪問美容師 | Comments(0)
優しいBGM
私はね、歌うことが大好き。。


そうおっしゃると、いつものようにカットの間、ずっと歌をうたわれる。

好きな歌を、そのときの気持ちで、本当に気持ち良さそうに。。


今日の「おひとりさま限定美容室」は、優しいBGMが流れている。
Top▲ by veronica-t | 2010-10-07 12:33 | 本業は訪問美容師 | Comments(6)
母も綺麗に・・
先日パーマにお伺いしたお宅から、
「いつも、うちのおばあちゃんを綺麗にしていただいてるでしょ。主人がね、里のおばあちゃんも綺麗にしてあげれないだろうか・・って言ってくれて、どうかしら?」と、問い合わせがありました。

お二人とも車椅子生活をされていて、一緒に暮らしていらっしゃるおばあちゃんは、以前寝たきりだったのですが、髪の手入れをされるようになってから、とても生き生きされてベット生活から車椅子に変わられたのです。
そんなこともあり、今回ご実家のおばあちゃんもと思いつかれたそうです。

「少し頑固なおばあちゃんだから・・来ていただいてもしてくれるかどうか・・それでも来てくださる?」
答えはひとつ、「はい」です。
お伺いして、それでもご本人が「したくない」と、おっしゃれば次の機会にさせていただく・・
それが訪問美容師の仕事ですから・・。


そして今日、おばあちゃんの不安なところをひとつずつ聞いて、ゆっくりご本人のペースに合わせて髪の手入れを始めました。

90歳前後のお客様に多いのですが・・シャンプーをご自身でされた経験がないのです。
このおばあちゃんも、そのひとりで、すべて行きつけの美容師さん任せ・・
私の手入れのやり方、ひとつひとつに疑問を感じていらっしゃいました。

それに、ひとつずつ答えを出しながら、道具を説明してやり方を説明して進めていきます。

初めて触れさせていただくお客様の髪、しかも不安いっぱいの・・
毎回、訪問美容の場合、お客様の様子や体調、気持ちの変化にも注意をしながら、本来の美容の仕事もしていきます。
そして、お客様の「素敵」を見つけてあげるのが、この仕事です。

いつもより、ずっと時間をかけて、それでもおばあちゃんの不安はいっぱい・・。

シャンプーのころになると、その不安と疑問はいっぱいに・・
「それだけのお湯で、ちゃんと洗えるの?」
「ねえ、どこからお湯は来ているの?」
「お湯が出るのよね?水じゃないのよね?」
「なんで、お湯が出てくるの?」
「その汚れたお湯は、どこに行くの?」・・
そのひとつひとつにお答えして・・・・・。

ブローをして、ホットカーラーで巻いてセットして、お手入れ終了。
鏡を見られたそのお顔に、さっきまでの不安気な表情はなくなり、まんえんの笑顔で一言。

「いろいろなこと言ってごめんなさいね、ありがとう。」


そういえば、今日は『敬老の日』でした。

「母にも綺麗になって欲しくて・・、
今まで世話になった母への、これが今日の日のプレゼントです」

なんだかとても大変な、そしてとても嬉しい一日でした。
こちらこそ、呼んでくださってありがとうございました。
Top▲ by veronica-t | 2010-09-20 22:00 | 本業は訪問美容師 | Comments(15)
頭皮のおはなし
みなさんは、ご自分の頭皮ってどんな状態か知ってますか〜?

というのも、最近、訪問先でよく聞かれるのが、この頭皮のことなんです。
質問の多くは、お年寄りの介護をされている施設の職員さんからで、頭皮を見せていただいた方のほとんどが、匂いもなく見た目も綺麗です。

でも、よ〜く見てみると・・
カサフタのようなものが至る所にこびり付いていたり、耳の後ろの髪の毛が頭皮に引っ付いていたり、カサカサした頭皮だったりします。
これらの原因は、老化などいろいろあると思いますが、ある程度シャンプーがきちんとされていると改善されることが多いです。

でも歳をとると、肩より高く腕をあげるのは、とても大変なことだったり、
今のように、毎日シャンプーをする習慣がなかったり、お風呂すらおっくうになられたり、
また体調が思わしくなかったりと、丁寧にシャンプーされることは難しいようです。

そこでシャンプーして欲しいと頼まれるのですが、こうしたトラブルを一度で改善することは難しく、日頃のお手入れと、定期的な地肌のお手入れをお薦めしています。

訪問美容を始めたころ、シャンプーだけなんて有り得ない、シャンプーを希望する人なんていやしない・・と、ある介護関係者の方が、私の訪問美容のチラシのメニュー欄のシャンプーという項目にクレームをつけられたことがあります。
でも今、同じ立場の方から、こうした専門的な知識と処置を必要だからと問い合わせが多くなりました。

お客様の中には、数ヶ月かけてシャンプーだけのご予約をいただき、やっと頭皮のトラブルが改善された方もいらっしゃいます。
また、ある男性の方は、カットのたびにシャンプーを希望されます。
そして、数年前から寝たきりのお客様は、認知症もあり会話も出来ない方ですが、今ではシャンプーが終わると、大きなアクビをひとつ、そして照れ笑いをしてくださいます。

シャンプーは、髪の汚れを落とすだけでなく、頭皮を健康に保つものです。
頭皮も顔も身体も、頭の先から足の先までつながった一枚皮です。
同じように清潔に、そして指の先でゴシゴシではなく、指の腹で丁寧にマッサージしてくださいね。

これから季節の変わり目、さまざまな頭皮のトラブルも起こりやすい季節、
ちょっと頭皮を気にかけてみてください。
Top▲ by veronica-t | 2010-09-05 23:36 | 本業は訪問美容師 | Comments(2)
気持ち良いシャンプー
「気持ち良かった・・」
使い慣れた介護用ベットでのシャンプーを終えられたお客様が、そうポツリとおっしゃった。

数年前から難病で、両腕両手をご自身で動かすことのできず、今ではひとりで動くことができなくなり、それでもご家族が出かけられたあとは、ひとり家で過ごされている。
いつも笑顔で、人への思いやりを大切にされるているお客様。

「こんな気持ち良いシャンプーは、本当に久しぶり」と、嬉しそうな笑顔でおっしゃった。

私は美容師で、これが仕事ですから。
Top▲ by veronica-t | 2010-08-14 23:08 | 本業は訪問美容師 | Comments(0)
誰のために・・何のために・・
お盆前の今日は、朝からとても忙しい一日でした。
そして、近々毛染めを希望されているお客様のところに、介護士の方がシャンプーをされるというので同行させてもらうことになりました。

正直なところ、間近でベット上でのシャンプーを見せていただくなんて思ってもみなかったもので、少し緊張しながら見させていただきました。
いえ、私以上に緊張されていたのは、美容師に見つめられながらシャンプーをされた介護士さんだったのでしょう。
シャンプーの準備をされながら、お湯を汲む場所、コンセントの場所など教えてくださいました。

興味があったのは、ベット上のシャンプーセット。
使われていたのは、よくネットでみかけるもので、たぶん一番多く使われているのではと思うものでした。
・・空気で膨らますものだったので、軽くて持ち運びは楽そうだった。
・・でもやはり不安定。排水が上手くいかず、何度も手をとめなくてはいけなかった。
・・耐久性、機能性を考えれば、訪問美容師には不向きかな。。


しばらくすると、
「こんな機会はめったにないです。
本職さんのシャンプーを身近で見せてくださいませんか?」と、介護士さん。
突然のことで戸惑いながらも、シャンプーをかわると
「やはり、音が違いますね」と・・。
そして、今度はシャワーで洗い流すとき
「耳のところの洗い方が分からないんですけど・・」と・・。
「こう手を持ってくると、耳にお湯がはいりませんよ」というと
「ああ、そうするんですか」と、納得の様子。
シャンプーが終わり、今度はお客様の安定する姿勢や、からだの移動の仕方を教えていただきました。

ありがたかったのは、二人のやりとりをお客様が終始笑っていてくださったこと。

訪問介護士と訪問美容師。
今までの私には、こうした接点はありませんでした。
互いの領域に入らないようにしていたといったほうがいいのかもしれません。

でも、お客様が安心して心地良い時間を過ごしていただくためには、こうしたお互いの知識を伝えあうことも必要なんだろうなと思います。
Top▲ by veronica-t | 2010-08-12 23:45 | 本業は訪問美容師 | Comments(0)
優しい言葉・・
今日のように暑い日は、頭の先から顔全体が汗だらけ・・
汗をタオルで拭き取りながら、いつもお伺いする施設でカットをさせていただいていた。

帰り際、いつも声をかけてくださる、おばあちゃんに呼び止められた。
髪の相談は受けるけど、家族さんが行きつけの美容室に連れて行かれる。

「ここんとこ、もう長いでしょ?」
「上は大丈夫だけど襟足が長いかもしれませんね・・これから暑くなるからね」
「そろそろ切ったほうが良いかいね」

いつものように髪の相談を受けていると、急に照れ笑いをされた・・

「私ねえ、もう足が立たんようになって、あっちこっちがいけんようになったわ・・もう頭も・・
たまにおかしなこと言っとるでしょ?」

数年前から、少しずつ老いていかれるその姿は、ご自身が気づかれるほど急速に進んでいる。
車椅子の横にしゃがむ私の手をとり、こうおっしゃった・・


「あんた、よう頑張っとる・・」


目頭があつくなり頬をつたう・・
こんなときは大粒の汗が、涙をそっと包んでくれる





Top▲ by veronica-t | 2010-06-04 14:26 | 本業は訪問美容師 | Comments(28)
いつまでも綺麗でいて欲しい
職員さんに「ちょっと、会っていただきたい人がいるんですけど・・」
そう言われて、そのお客様の部屋に通された。
施設では、担当をしていただく職員さんが決まっているところもあり、心のケアを含めて、髪のことも事前に相談していただくことが多くなりました。
ご本人さま、家族さま、職員さんのお話を聞かせていただきながら、髪のお手入れの内容・日程・場所などを決めていきます。
ご家庭にお伺いするときも、そのつどお話をさせていただいています。
お天気が良いときには、好きな景色が見える外ですることもあります。


車椅子に座っていらっしゃる、背筋をピンとのばされた品のあるおばあちゃん。
髪は少しパーマが残り、毛先には染められたところが残っている。

「娘さんから髪を頼まれたんですが・・
パッツンと切った感じじゃなくて、自然な感じで、
元気なときのようにお洒落にして欲しいそうです。」

その言葉を聞かれたお客様は、笑いながら
「そんなこと言われてもね・・」と、初めてお会いする私に気を使ってくださった。


- 母には、いつまでも綺麗でいて欲しい -


パーマと毛染め
どちらも出来そうにないお客様の体調・・
それなら、カットでお洒落に似合うスタイルを見つけよう。


カットの仕上げは、リズムカルに
ちょっとブローでボリュームを出して
仕上げにスプレーを少しだけ
お化粧しなくても生き生きして見えるように、眉を綺麗に整える
どうしても、施設での髪のお手入れになりますと、限られた時間にさせていただくことが多いです。
何人かいらっしゃると、終わるころには、次の方がいらっしゃいます。
今、お伺いさせていただいている施設では、利用者さん(お客様)ひとりひとりを大切にされていて、担当者の方と相談しながら、時間や場所などそれぞれに合わせています。
ほんの数分でも体調の変化はあり、その時間をスムーズに敏速にする必要はあります。
でも、ほんの少しでも、心豊かになれる時間であれば・・そう願っています。
眉を整えることも、お顔の表情も若々しくなります。
鏡を覗かれて、今のご自身に向き合われるとき、それはとても緊張する瞬間です。


お客様は、ピンと背筋をのばして、目をつぶって微笑まれた。


「鏡で、見てみられますか?」 
「そうねぇ〜見てみようかしら」 体調を崩されてから、鏡は見られなくなっていたそうです


少し痴呆があるお客様・・
「この前も、あなたにしていただいたわね
ちょっと短めに切っていただいたのよね」

記憶をたどりながら、前回の髪のお手入れを思い出してくださった。
別に詳しいデーターはありませんが、痴呆の方で、とくに女性の方は髪を手入れしてもらった記憶は残っています。
そして、髪を手入れさせていただいている間、とても落ち着いた表情で、終わると生き生きした表情に変わります。
女性は、いくつになられても女性です。 綺麗になりたい想いは誰にもあると思います。



「あなたのような人がいてくれて、とても助かるわ
娘に見せなきゃね」


ほんの少し、美容室でのお手入れを再現する
Top▲ by veronica-t | 2010-05-13 07:45 | 本業は訪問美容師 | Comments(0)
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